青森県立郷土館ニュース
上北地方にある小川原湖では、シジミ漁が盛んである。1998(平成10)年、この漁をしていた漁師が、シジミとともに大きな牙がついた顎の一部の化石を引き上げた。湖底から上がったことから、アザラシやオットセイのような海獣のものではないか―と、当館に連絡がきた。 実物を見て牙の大きさに驚いたが、たまたま当館の収蔵庫にあったトラの剥製に目がいき、大きく開いた口から見える牙や臼歯と比較したところ、よく似ていた。専門の研究者に確認してもらったところ、大型ネコ科動物の左下顎骨(がくこつ)であることがわかり、トラと考えられるということであった。 小川原湖の南西岸近くの崖からは、1961(昭和36)年、水路の工事中にナウマンゾウの臼歯化石が発見されている。化石にはスコップがあたった際にできた、大きな傷がついている。 どちらの化石もはっきりとした年代はわかっていないが、十数万~数万年前のものと考えられ、その頃の青森にはトラやゾウが生息していたことを教えてくれる。これらの化石は、東北町歴史民俗資料館に保管・展示されているほか、当館でもレプリカを展示している。小川原湖やその周辺からは、まだまだ多くの動物化石が発見される可能性がある。(県立郷土館学芸副課長・島口天)
by aomori-kyodokan | 2019-05-02 12:00 | ふるさとの物語
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