【レビュー】 VORTEX – STRIKE EAGLE 1-8×24
今回紹介する、「Strike Eagle:ストライクイーグル」シリーズは、ボルテックス社のスコープラインナップの中で、低価格帯の上位ランクショートスコープとなる。これより一つ上は、このメーカーの知名度を上げた、「 Viper PST 」を含む、ミドルランクの「Viperシリーズ」となる。このSTRIKE EAGLEは、それまでは1-6倍率のショートスコープ「 Strike Eagle 1-6×24 」を販売していたが、2017年に今回紹介する1-8倍率の「Strike Eagle 1-8×24」というより高倍率のモデルをラインナップに加えた。価格差はこちらが60ドルほど高く、569.99ドルで売られている。ネットショップでは450ドル前後で販売されている(2017年10月)ので、比較的安価で入手しやすい高倍率ショートスコープだ。
表面の塗装は若干光沢のあるポリッシュ寄りのブラックだ。同社のSpitfireシリーズ( 1× 及び 3× )と同じ感じだ。重量は468グラムで、実は前作の1-6×24より30グラムほど軽くなっている。この点は、同じ1-8倍率の他社高価格帯の「 Leupold Mark 8 1.1-8×24 :657グラム」や、「 Primary Arms Platinum 1-8X24mm :750グラム」よりも軽量である。上部のエレベーションノブ(照準の上下調節ネジ)は両側面のイルミネーションノブやウインテージノブ(左右調節)と比べて、ロープロファイルな設計になっている。とは言え、カバーを外すと出て来るネジの厚みはエレベーションもウインテージノブも同じである。そのわけは後ほど。
倍率を変更するパワーダイヤルノブは、反時計回りに回して倍率を高めるタイプとなっている。同社の Razor HD Gen2 やViper PST等はは時計回りとなっているのでこちらは逆だ。ノブの固さはスムーズに動き、Razor HD Gen2のように固くてサッと操作しにくいということはない。
※2:とは言え、前モデルのStrike Eagle 1-6×24のパワーダイヤルノブにあった突起はなくなっているので、少し回しにくくなっている。気になる人は別売りのノブを購入するのが良いだろう。
製造は中国。品質を見る限りこれと言って問題はない。さて、エレベーションノブが同社Viper PSTやRazor HD Gen Ⅱのようにロープロファイル設計になっているのに、側面のウインテージノブはなぜそうなっていないのかと言うと・・・
なんと、カバーが予備のバッテリーを収納できるケースとなっている。この設計をどう見るかは人それぞれの運用や好みに別れるかもしれないが、私は予備バッテリーケースなぞいらないのでロープロファイルにしてほしかった。エレベーション、ウインテージノブ共、ワンクリックで1/2MOAの移動量となる。メートル換算すると、ワンクリックで100mの距離の場合14.55mmレティクルが動く。最大移動量は100MOAとなっている。
このスコープの「AR-BDC2レティクル」は、前機種のStrike Eagle 1-6×24の「 AR-BDCレティクル 」に風の流れによる弾丸のズレを予測できるバレットドリフト補正の機能を追加したバージョンだ。
1MOAの中心点を200ヤード(182m)の距離でゼロインすると、600ヤード(548m)まで対応したBDC機能(Bullet Drop Compensator:距離による弾丸の落下点表示)が使える。BDCは1MOAの中心点の下にある4つの段のそれぞれの中心点を使用する。適用弾薬は以下の通り。
○5.56mm×45 / 55-77グレイン / 銃口初速 2700-3000FPS
○7.62mm×51 / 168グレインまたは175グレイン / 銃口初速2650FPSまたは2600FPS
また、風によるバレットドリフト補正は横線の2つのクロスヘア(サブクロスヘア)と両端を使う。風速は5マイル / hと10マイル / h、つまり風速時速8キロ(秒速2.2m)と16キロ(秒速4.4m)に対応している。前者は木の葉が揺れ、後者は小さい枝が揺れる程度の風だ。ボルテックス曰く、条件が整えば0~3インチの範囲内でBDCとバレットドリフト補正は集中させることができると言っている。
ちなみにこのスコープはSFP(Second Focal Plane : 第二焦点面:スコープの倍率を変えてもレティクルが拡大縮小されないタイプ)なのでBDCもバレットドリフト補正機能も最高倍率である8倍率の際に機能する。使用用途にもよるが、私は器用な方ではないし射撃の腕も良くないので、あんまりごちゃっとしたレティクルは好まない。どちらかと言えば前機種のAR-BDCレティクル程度でいい。
さて各倍率の具合を見てみよう。まずは1倍率。100メートル先のACU迷彩上着を照準。写真だとわかりにくいが、このスコープは少し暖色系の色味に映る。また、スコープの縁や鏡筒内部が視界にある程度入ってしまう。ここは安価な値段設定で高倍率を実現しているのでそんなものだ。(※1)とは言え、意外にも至近距離での特にレンズ周辺部の歪みは少なかった。MTACはおろか、その倍以上はするスコープよりも良いと感じた。(写真にはTarget Ra「m」geとかわけのわからない単語が書いてあるが、おそらく疲労からそう見えてしまっていると思われるので早く横になった方がいい)
こちらは Burris MTAC 1-4×24 の1倍率。1倍率ではこちらのレンズの方が明るく、覗きやすい。このスコープの特に1倍率は値段の割にはなかなか優秀だ。今回のStrike Eagleと比べると、周辺の解像度も1倍率ではこちらが上だ。もたもた撮影しているうちに天候や太陽の明るさがコロコロ変わっていったので写真はあまり気にしないでもらいたい。
次は4倍率。MTACは周辺がやけにボヤけて飛んだような写りになってしまったが実際はStrike Eagleとあまり変わらない。ここまでならMTACの方が優れているように見えるが、Strike Eagleはあと2倍も拡大できる。
8倍 率。少しゴーストが写りやすくなる。この最高倍率に関しては、もう少し解像度が欲しいとかピントが少し合わないと言った意見がチラホラ散見されるが、この値段帯でこの倍率まで拡大できることを考えると十分ではないかと思う。1000ドル以上するならまだしも、実売500ドル以下で買えるスコープなのだ。
イルミネーションを最大光量で灯してみた。天気は曇りだったが、最大光量でもこの程度だ。暗所でのレティクル補助光と考えるのが妥当だ。最低光量は同社Razor HD GenⅡのように夜間でも明るすぎて困るということはない。
※2:前モデルのStrike Eagle 1-6×24も日中でも十分使用可能なほど明るいイルミネーションではなかったが、本製品よりは後2段階くらい明るいイルミネーションであった。
総合的に考えると、お手頃価格で購入できる高倍率ショートスコープと言った印象だ。精密な狙撃や、ミリミリとしたことを求める競技には向いていないかもしれないが、週末にパンスカ撃ちにいったり、あまり肩の力を入れずに使う範囲内の人にオススメできる。同じ1倍率~8倍率でもっと安いものだと、 Primary Armsの1-8X24SFP-ACSS-5.56 が400ドル以下で売っており、こちらも格安でまぁまぁ使えるスコープとして評価が高いが、レンズの質はVortex Strike Eagleの方が良いようだ。
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