石炭の時代展(1)江戸時代の炭鉱の様子を伝える貴重な絵馬
記録文学作家の上野英信(1923-1987)氏の呼びかけによって模写・復元された江戸時代の絵馬です。 元の絵馬は、1865(慶応元)年、大崎八幡社(佐賀県武雄市北方町)に、大崎村大副山炭鉱の繁栄と、そこで働く人々の安全を願って奉納されたもので、炭鉱の元請・稗田麟蔵らが、林石という旅の絵師に描かせました。大副山の麓にひろがる炭鉱町の当時の様子が克明に描き出されています。 上野英信氏が絵馬の模写による保存を呼び掛けたアピール文を読むと、彼のこの絵馬への思いが伝わってきます。一部をご紹介します。
炭鉱の古絵図が絶無というわけではありません。しかし、この大崎八幡宮の絵馬ほどすぐれた作品を私は知りません。畳三枚敷きほどの大きさをもつこの絵馬は、すでに芸術性そのものによって私たちを魅了します。しかもそれは架空の美の世界ではなく、一世紀昔の北方炭鉱の現実の世界です。巨視的な展望によって描き出された全体と細部は私たちの苦悶にみちた生活と労働の、おそるべき真実によって、みる者を圧倒せずにはおきません。
by nogataartmuseum | 2016-04-27 11:03 | 企画展 S M T W T F S 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31