ザ・スパイダースが与えたシーンへの影響、当時のプロデューサー本城和治と振り返る
本城:これは私たちがそれまで企画したものと違って、想像もしなかった浜口庫之助さんの作詞作曲なんです。ホリプロの堀さんとはお付き合いがあったわけなんですけど。これも後から知ったんですけど、堀さんがどこかのホテルのバーでばったり浜口さんに会っていい曲ができたんだと言われた。夕陽が泣いているイメージの曲だということで、堀さんが興味を持たれてぜひその曲を聞かせてくださいとデモテープをもらって。そのテープを田辺昭知の元に届けて、ザ・スパイダースのスタジオで仕上げた。それまでのザ・スパイダースと全然違う曲調なので、リズムとかイントロを苦労してましたね。あの印象的なイントロは井上堯之が作ったものだと思っていたんですけど、実は浜口先生が作ったメロディらしいんですよね。イントロを初めて聞かされた時に、ちょっと歌謡曲チックだけど哀愁味があって。それまでザ・スパイダースのレコードを作った立場の反省としては、垢抜けした洋楽的な音楽だけども大ヒットには至らなくて 5 万枚とか 10 万枚のセールスは越えられなかったんですよ。洋楽的なセンスのファンしか買わない。この曲だったらもしかしたら 10 万枚超えられるかもしれないと思いましてね。かまやつひろしなんかはあまり乗り気じゃなかったんですけど、他のメンバーの反対もなく堀さんの強い意向もあってレコーディングしたんですね。堺正章の歌もいれたらいい感じで、初めて彼の歌をダブルにして録ったんです。加山雄三さんは全部ダブルで録っていい感じだったのが頭にあったもんですから、堺正章の歌もダブルにしたらいい感じだった。それでこれは売れる歌になったんですね。
田家: 10 万枚どころか 120 万枚になったわけですが。本城さんはマイク眞木さんの「バラが咲いた」もやられていましたので、この曲も本城さんとハマクラさんのお付き合いなのかなと思っていたんです。今の話は今日初めて知った真実ですね。それでは本城さんが選ばれた 6 曲目「なんとなくなんとなく」。
Rolling Stone Japan 編集部
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