Review:雪山安全装備の新定番、アバランチエアバッグ。Black Diamond ジェットフォースプロのすすめ
そんなアバランチエアバッグですが、自分のような”普通の愛好家”にとってもいよいよ実用に足るものが来てるのではないか、そんな気配を感じさせてくれる興味深いモデルが、ここ数年で登場してきました。そのひとつが今回レビューするバックパック、Black Diamond ジェットフォースプロです。そこで近い将来、バックカントリースキーヤー(スノーボーダー)に限らず、すべての雪山登山者にとって必須となるであろうこの重要アイテムをこの冬実際にスキーや雪山登山で使ってみたレビューを早速お伝えしていきます。
- アバランチエアバッグで何ができるか?
- Black Diamond ジェットフォースプロをおすすめする理由
- 電動式ゆえの操作やメンテナンスのしやすさ
- 細かなリスクまで想定された安全性の高さ
- 自動収縮機能は安全性だけでなく、作動後のエアバッグ収納も簡単に
- スマホ連動で常に最新機能にアップデート可能
- 容量・用途に合わせて荷室を交換できるモジュラー構造
- スムースで快適な背負い心地
- 無駄なく必要最低限のポケット類とアタッチメントによる収納性の高さ
アバランチエアバッグで何ができるか?
Black Diamond ジェットフォースプロをおすすめする理由
電動式ゆえの操作やメンテナンスのしやすさこうした状況に対して、近年ARC’TERYXやPIEPS(& Black Diamond)などいくつかのメーカーで開発されてきたのが、モーター駆動による電動式のアバランチエアバッグです。電動式最大の利点は、なんといっても充電することで何度でも膨らませることができること。
細かなリスクまで想定された安全性の高さジェットフォースプロの基本的な使い方は、電源を入れたあと、肩口のトリガーを強く引くことでバルーンの膨張が始まります。そこからの一連の流れを、下の動画にまとめてみました。
最新モデルでは前モデルに比べてシステムが軽量コンパクト化され、フル充電状態であれば、1回の充電で最低でも3~4回使用可能とされています(マニュアルには満充電で「3+」という表記)。この4回というのは、「ミスユース(誤操作)・ハイクアップ時のアバランチパス通過時・滑降時・雪崩が起きた直後の二次雪崩」のすべてが起きてしまったとしても無充電で対応が可能という、最悪のケースを想定された設計とのこと。ちなみに非公式ですが、自宅の室温20℃ほどの環境で試してみたところ、フル充電で8回の連続使用が可能でした。使用限界温度は -30℃とあるように、最大の使用回数は環境によって異なります。そうした最低温下での使用を考慮して3~4回であることは留意しておく必要があります。
自動収縮機能は安全性だけでなく、作動後のエアバッグ収納も簡単にそして上の動画にもあるように、Black Diamond(およびPIEPS)のジェットフォースシステムはエアバッグが展開されてから3分間経過後、ファンが逆回転してエアバッグが自動的に収縮し、そこにエアポケットを確保することができます。これは万が一雪の中に埋没してしまったときでも、呼吸確保や脱出しやすい空間づくりに役立ってくれるように設計されているとのこと。
スマホ連動で常に最新機能にアップデート可能 容量・用途に合わせて荷室を交換できるモジュラー構造十万以上もする高価なバックパックなのに、20Lの1パターンしか使えないよりも、10L・25L・35L・25L(スノーボード用)とさまざまな用途・容量を一つのアバランチシステムで使用できる方がいいに決まっています。この仕様は本当に助かりますし、買い渋っていた自分のような人間の背中を押してくれた大きなポイントになりました。※ちなみに今回本文のレビュー写真で登場しているしているジェットフォースプロは35L版です。
スムースで快適な背負い心地 無駄なく必要最低限のポケット類とアタッチメントによる収納性の高さもうひとつの有力な選択肢、SCOTT PATROL E1 40 BACKPACKとの比較
実はこのモデルの他に、同時期に登場した、こちらも注目のアバランチエアバッグ、SCOTT PATROL E1 40 BACKPACK KITも少しだけ試すことができました。
アイテム名Black Diamond ジェットフォースプロSCOTT PATROL E1 40 BACKPACKシステムとバックパックの分離・変更◯ 可能かつバリエーション豊富で安価可能だが交換するパックの価格が高めスノーボードでの使用25スプリットモデルのみ◯ すべてのモデルで可能スキーの取り付けダイアゴナルのみ◯ ダイアゴナル・Aフレーム両方可能オンラインアップデート◯ 1回の充電での動作回数◯ 複数回可能基本的に1回充電方法ACアダプター◯ USBケーブルで数時間、または単三電池×2本で40分ほどで充電可能エアバッグの大きさ(容量)◯ 空気の自動排出機能◯手動で押し出す必要があるエアバッグの収納◯ 畳まず押し込んでOKマニュアル通りに折りたたむ必要がある収納性◯ 細かい使い勝手◯ デザイン ◯結果的に自分はBDのジェットフォースを選んだわけですが、その選択を決断したポイントは大きくいって以下の4点です(あくまでも個人的見解としての参考)。
- 安全性能ではBDのジェットフォースシステムも、SCOTTのAlpride E1システムもお互い長所の違いこそあれどちらも十分で甲乙つけがたい。
- どちらもバックパック部分の交換が可能で汎用性が高い作りだが、BDの方がバックパックの価格が手頃。
- 自分はスキーヤーであるため、BDのスノーボードが取り付けられないというデメリットは関係ない。
- エアバッグの収納やバックパック自体の収納性や使い勝手など、細かい点を含めた総合的な使いやすさではBDの方が上。
上のポイントに納得できる人は僕と同じようにジェットフォースの方がおすすめです。人によっては(特にスノーボーダー)ジェットフォースでは難しいということもあるかも知れません。。
まとめ:安全性・利便性・快適性と三拍子揃った電動式アバランチエアバッグの大本命
Black Diamond ブラックダイヤモンド ジェットフォースプロ35 M/L ブラック Black Diamond※1 日本雪氷学会『雪崩対策の基礎知識2015』日本雪氷学会 ※2・3 出川あずさ・池田慎二著 特定非営利活動法人 日本雪崩ネットワーク『~山岳ユーザーのための~ 雪崩リスク軽減の手引き』東京新聞
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