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Part14 ラプラス変換のいろは - 工業大学生ももやまのうさぎ塾 (Momousagi Academy)
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うさぎでもわかる微分方程式 Part14 ラプラス変換のいろは

定義域が \( 0 \leqq t \lt \infty \) のある関数 \( f(t) \)(時間関数と呼ばれることが多いです)に対し、\[\beginF(s) & = \int^_ f(t) e^ \ dt\\ & = \lim_ \int^_ f(t) e^ \ dt\end\]の広義積分の形で表される \( s \) の関数 \( F(s) \) のことを、 \( f(t) \) のラプラス変換 と呼び、\( \mathcal[f(t)] \) と表記します。

(変数 \( s \) は複素数範囲で考えるのが基本ですが、実数範囲として考えている参考書もあります。今回は実数範囲として考えたあと、複素数範囲でも考えていきましょう*1。)

また、ラプラス変換を行う元の関数 \( f(t) \) のことを 原関数 、ラプラス変換後の関数 \( F(s) \) のことを 像関数 と呼び、 1対1に対応 しています。

ラプラス変換が\[\int^_ e^ \ dt\]の形で定義されている理由としては、関数 \( e^ \) が下の図のように \( t \) を大きくすればするほど0に収束する関数となっているからです。

また、積分範囲を実数全体 \( - \infty \lt t \lt \infty \) にしてしまうと \( e^ \) が \( t \to - \infty \) のときに発散してしまうため、積分範囲を 0を含む正の実数に限定して 定義されています。

(\( s = 0 \) であれば分母が0に、\( s \lt 0 \) であれば無限大に発散)

(なお、これ以降出てくるすべてのラプラス変換の定義域は \( s \) の部分を \( \mathrm (s) \gt 0 \) に変えれば複素数範囲でも成立します。)

例題1

つぎの(1), (2)で表される関数 \( f(t) \) のラプラス変換 \( \mathcal[f(t)] \) を求めなさい。(\( s \) の収束領域も求めること)

解説1

なお、\( s \) が複素数の場合の収束領域は(1)と同じように計算することで収束領域は \( \mathrm (s) \gt 0 \) となる。

収束領域については、実際にラプラス変換(逆変換も)を計算する際に 気にする必要は基本的にはありません 。(問題文で聞かれたら別ですが…)

2.ラプラス逆変換

ラプラス変換を行う前の関数である原関数 \( f(t) \) とラプラス変換を行った後の関数である像関数 \( F(x) \) は 1対1に対応している のでしたね。

1対1に対応していることを利用することで、ラプラス変換後の関数 \( F(s) \) からラプラス変換前の関数 \( f(t) \) に戻すラプラス逆変換 \( \mathcal^ \) が定義されます。

先程、\( f(t) = 1 \) をラプラス変換した結果が \( F(s) = \frac \) であることを確認しましたね。

ラプラス変換前・変換後の関数は1対1の関係にあるため、\( F(s) = \frac \) をラプラス逆変換した結果は\[\beginf(t) & = \mathcal^ \left[ \frac \right]\\ & = 1\end\]と求めることができます。

3.重要なラプラス変換の4つの法則

その1 線形の法則 ラプラス変換における線形の法則

(1) 足し算(引き算もOK)の分離ができる\[\mathcal[f(t)+g(t)] = \mathcal[f(t)] + \mathcal[g(t)]\]

(2) 定数倍の分離ができる\[\mathcal[k \ f(t)] = k \mathcal[f(t)]\]

※ 2つ合わせて\[\mathcal[a \ f(t)+b \ g(t)] = a \mathcal[f(t)] + b \mathcal[g(t)]\]と書いてある参考書が多い。

積分計算と同じように 定数倍・足し算(引き算)を分離 できるという法則です!

ラプラス変換の線形性を用いることで、例えば \( f(t) = 2t + 3 \) のラプラス変換を、\[\mathcal[2t+3] = 2 \mathcal[t] + 3 \mathcal[1]\]のように計算することができます。

2つまとめた形が成り立つことを示しちゃいましょう。\[\begin\mathcal[a \ f(t)+b \ g(t)] & = \int^_ \left( a \ f(t) + b \ g(t) \right) e^ \ dt\\ & = \int^_ a \ f(t) e^ \ dt + \int^_ b \ g(t) e^ \ dt\\ & = a \int^_ f(t) e^ \ dt + b \int^_ g(t) e^ \ dt\\ & = a \int^_ f(t) e^ \ dt + b \int^_ g(t) e^ \ dt\\ & = a \mathcal[f(t)] + b \mathcal[g(t)]\end\]よって、線形性が成り立つことが示されました。

逆変換でも線形の法則は成り立つ!

また、ラプラス逆変換であっても、\[\mathcal^[a \ f(t)+b \ g(t)] = a \mathcal^[f(t)] + b \mathcal^[g(t)]\]と、定数倍・足し算を分離することができます。

ラプラス逆変換における線形の法則

※ 2つ合わせて\[\mathcal^[a \ f(t)+b \ g(t)] = a \mathcal^[f(t)] + b \mathcal^[g(t)]\]と書いてある参考書が多い。

その2 微分の法則 ラプラス変換における微分の法則

\[\begin\mathcal[f'(t)] & = s F(s) - f(0) \\\mathcal[f''(t)] & = s^2 F(s) - s f(0) - f'(0) \\\mathcal[f'''(t)] & = s^3 F(s) - s^2 f(0) - s f'(0) - f''(0) \\\mathcal[f^(t)] & = s^n F(s) - s^ f(0) - s^ f'(0) - \cdots - f^ (0)\end\]

2階微分 \( f''(t) \) まで証明してみましょう。

\[\begin\mathcal[f''(t)] & = \mathcal[\left( f'(t) \right)']\\ & = s \mathcal[f'(t)] - f'(0)\\ & = s \left( sF(s) - f(0) \right) - f'(0)\\ & = s^2 F(s) - s \ f(0) - f'(0)\end\]と変形することで示すことができます。

その3 移動の法則

\( e^ f(t) \) の形をしたラプラス変換を求める際に使う法則です。

ラプラス変換における移動の法則

ラプラス変換の元が \( e^ \) 倍されたら、結果の \( s \) の部分が \( s-a \) になると覚えましょう!

  • その1:線形の法則
  • その2:微分の法則
  • その3:移動の法則
その4 相似の法則 ラプラス変換・逆変換における相似の法則

\( at = u \) とおく。すると、\( a \ dt = du \), \( dt = \frac du \) となる。

4.代表的なラプラス変換の導出

ここからは、よく出てくる関数のラプラス変換を定義\[\begin\mathcal[f(t)] & = \int^_ f(t) e^ \ dt\end\]に従って求めていきたいと思います。

(1) べき関数 t^n のラプラス変換

第1章で \( t \), \( t^2 \) のラプラスを計算しました。

では、\( t^n \) のラプラス変換はどうなるでしょうか。

例題2

0以上の整数 \( n \) に対し、ラプラス変換 \( \mathcal[t^n] \) を求めたい。

(1) \( n = 0 \) のときのラプラス変換、つまり \( \mathcal[1] \) を求めなさい。(2) \( \mathcal[t^n] \) を \( \mathcal[t^] \) を用いて表しなさい。(3) \( \mathcal[t^n] \) を求めなさい。

解説2

(ただし、収束範囲は \( s \) が実数なら \( s \gt 0 \)、複素数なら \( \mathrm (s) \gt 0 \) が条件)

(1), (2)より\[\begin\mathcal[t^n] & = \frac \mathcal[t^]\\ & = \frac \times \frac \mathcal[t^]\\ & = \frac \times \frac \times \frac \mathcal[t^]\\ & = \frac \times \frac \times \frac \times \cdots \times \frac \mathcal[t^1]\\ & = \frac \times \frac \times \frac \times \cdots \times \frac \times \frac \mathcal[t^0]\\ & = \frac \times \frac \times \frac \times \cdots \times \frac \times \frac \times \frac\\ & = \frac < s^>\end\]と計算することができる。

べき関数 t^n のラプラス変換 (2) 指数関数 e^at のラプラス変換

つぎに指数関数 \( e^ \) のラプラス変換 \( \mathcal[e^] \) を求めてみましょう。(\( a \) は実数としましょう)

例題2

関数 \( f(t) = e^ \) のラプラス変換 \( \mathcal[e^] \) を求めなさい。(\( s \) の収束領域も求めること)

解説2

(収束領域:\( s \) が実数なら \( s \gt a \)、複素数なら \( \mathrm (s) \gt a \))

指数関数 e^at のラプラス変換 (3) 三角関数 sin(at), cos(at) のラプラス変換

つぎに三角関数のラプラス変換\[\mathcal[\sin at], \ \ \ \mathcal[\cos at]\]を求めてみましょう。

三角関数のラプラス変換 (4) 双曲線関数 sinh(at), cosh(at) のラプラス変換

最後に双曲線関数のラプラス変換\[\mathcal[\sinh at], \ \ \ \mathcal[\cosh at]\]を求めてみましょう。

  • \( e^ \) のラプラス変換の収束領域:\( s \gt a \)
  • \( e^ \) のラプラス変換の収束領域:\( s \gt -a \)

の2つをともに満たす必要があるため、\( s \gt |a| \)(複素数範囲:\( \mathrm (s) \gt |a| \))と求めることができます。

双曲線関数のラプラス変換

5.覚えるべき法則・公式

(1) 重要な3法則 (2) 重要な変換公式

ラプラス変換・逆変換を単に求める場合、および微分方程式に利用する場合は 収束領域を頭にいれておく必要はありません

  • べき関数 \( t^n \)
  • 指数関数 \( e^ \)
  • 三角関数 \( \sin bt \), \( \cos bt \)
  • 移動の法則
  • (双曲線関数 \( \sinh bt \), \( \cosh bt \))
  • \( e^ t^n \)
  • \( e^ \sin bt \)
  • \( e^ \cos bt \)

(\( a = 0 \) や \( n = 0 \) を代入することで残りの公式が導出できる)

(2) ラプラス変換表について

実際にラプラス変換、逆変換を用いる際には、ある関数 \( f(t) \) と、ラプラス変換後の関数 \( F(s) \) の対応が書かれたラプラス変換表を使って行うことも多いです。ラプラス変換の公式

6.公式を用いたラプラス変換・逆変換の求め方

例題3 ラプラス変換

つぎの(1)~(5)のラプラス変換 \( \mathcal[f(t)] \) を計算しなさい。

解説3 復習 部分分数分解 ※部分分数分解に自信ある人も要注意!! 例題4 ラプラス逆変換

つぎの(1)~(5)のラプラス逆変換 \( \mathcal^[F(s)] \) を計算しなさい。

解説4

7.さいごに

*1 : まだ複素関数についてよくわかっていない人は \( s \) と実数範囲と仮定してもOKです。\( s \) が実数範囲・複素数範囲で変わるのは収束領域だけで、ラプラス変換自体の値は変化しません。

公開日: 2020年5月1日 更新日: 2023年4月19日 この記事を書いた人 コメント一覧 コメントはありません。 関連記事 【基本情報対策】うさぎでもわかるソフトウェア工学 Part04 構造化分析とDFD(レシピをDFDで書いてみよう) うさぎでもわかる線形代数 第05羽 行列式 確率統計分野で頻出な確率分布 離散型確率分布編 うさぎでもわかる解析 Part25 極座標変換を用いた2重積分の求め方 うさぎでもわかる解析 補充編1-1 双曲線関数のいろは うさぎでもわかる線形代数 補充2 平面・空間上における直線の方程式(ベクトル方程式の基礎) うさぎでもわかる線形代数 第07羽 基底をジュースで考えよう!+基底の交換 離散数学 関数の個数の数え上げ猛特訓(解説付き) うさぎでもわかる微分方程式 Part13 微分演算子を用いた特殊解の求め方 うさぎでもわかる微分方程式 Part15 ラプラス変換を用いた微分方程式・連立微分方程式の解き方

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