透析効率とは何か?~除去率・Kt/V・nPCR~
ときに、血中濃度がKt/Vのみの関数になることを利用した透析量の指標です。従って、 ①~③の仮定が満たされない場合には、理論的根拠を失います。 例えば 1-コンパートメントモデルが完全に適応できる場合は、透析後の急激な濃度上昇(リバウンド現象)は起きないはずで す が、実際には尿素でもリバウンドは起こります。また、 透析で除水を行わない事は稀であるため、Vに変化が少ない事も少ないです。 そこでリバウンド及び除水を考慮したKt/Vの算出式として
ここで注意が必要なのは、あくまでKt/Vは尿素の除去効率を規定するもの であり、従来のダイアライザと最新のダイアライザに相違はないという点にあります。従来のダイアライザの差からも分かるように、 β2ミクログロブリン(11,800Da)あるいはそれ以上の大きさの溶質除去性能に現れます。 したがって、 Kt/Vは予後規定因子の一つであって、これで全てが決まる訳ではない 。と考えるのが妥当であります。
$$Gw = G \times Tw = K \int_0^T C_1dt+ \int_0^T C_2dt+ \int_0^T C_3dt $$
尿素の動態は終了後のリバウンド現象を考慮するとSPでは厳密ではありません。この点を考慮に入れた計算式が上記のdp(Double pool model)になります。3時間と4時間HDを比較する場合には、この(Kt/V)Dpまたはe(Kt/V)と表記される計算式の方が妥当なのです。
Kt/Vを高めるには?
Kt/Vの推奨値は?
Kt/Vの適正値は1.4~1.6 とされており、 最低でも1.2は達成 するように推奨されています。
蛋白異化率(nPCR)の話
前述した1980年代、時を同じくして全米でHDに関する世界で最初の大規模介入研究が行われました(Natioal Co-operative Dialysis Study ;NCDS )。その結果、患者の蛋白質摂取量に見合った蛋白質が代謝されて、尿素が生成され、この尿素を除去する事で患者はまた同量の蛋白質を摂取することができることが示されました。このたんぱく質の代謝速度が蛋白異化率(Protein Catabolic Rate;PCR[d/day])であり、臨床的には単位体重当たりの値(normalized PCR;n-PCR[g/day/kg])で議論されることが多いのです。
nPCRの推奨値は0.9以上、望ましくは1.0以上となっています。
筆者的見解
【アルブミン】あなたは抜く派?抜かない派?~HDFにおける至適Alb漏出量は?~ 「アルブミンは抜くべき?抜かないべき?」HDFでのAlb漏出の是非を、TMP・置換方式(前/後希釈)と絡めて解説。臨床目線の私見も紹介あとがき
参考文献
1)透析療法合同専門委員会 企画・編集 , 血液浄化療法ハンドブック2015 , 協同医書出版 p.40-50
2)大平整爾,井村卓,今忠正 , 透析量への一考察 , 日本透析医会雑誌Vol.18No.2 2003
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