ロクセット「It Must Have Been Love」 誕生の経緯を語る 『プリティ・ウーマン』劇中歌
当時は、ABBAを除けば、スウェーデンはポップ界では劣勢だった。僕たちの目標は、他のスカンジナビアの国々、できればドイツに進出することだけだった。しかし、EMIドイツは僕たちをラジオで流してもらえずにいて、代わりにクリスマスソングを書いてはどうかと提案してきた。オリジナルのタイトルは“It Must Have Been Love(Christmas for the Broken Hearted)【きっと愛だったんだ(傷心のクリスマス)】”で、ハルムスタッドにある自宅のグランドピアノで書いた。もともと“It must have been love, but it’s over now【きっと愛だった、でも今は終わった】”というラブソングとして書き始めていたもので、それをドイツのレーベルの要請を受けて、2番の歌詞にクリスマスへのささやかな言及を加えたんだ。春だったので、クリスマス気分なんて全然なかったんだよ。
僕たちは急いでスタジオに戻り、歌詞の“Christmas Day”を“a winter’s day”に変え、冒頭に新しいギターのメロディを加えた。ほどなくして、監督のゲイリー・マーシャルから電話があって“君の曲が映画で流れるとき、セリフは一切ない。55秒間、君の音楽だけが映画全体を引っ張っていくんだ”と言われた。そこから先は、ご存じのとおりだよ。
彼女が病気になったあと、アムステルダムで僕のソロ公演に足を運んでくれた。ステージに上がらないかと誘うと、8年間も公の場で歌っていなかったけれど、アンコールで登場して“It Must Have Been Love”を歌ってくれた。あれほどたくさんの人が泣いているのを見たのは生まれて初めてだった。マリーはその経験から、ものすごくエネルギーをもらって、新たなアルバム制作とツアーを望んだ。僕たちは実際にそうした。あの経験が彼女にあと数年の命をくれたのだと思う」
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