『突入電流防止回路』とは?リレーやサイリスタの駆動方法について
ACラインの電圧\(v_\)の実行値を\(V_\)とすると、ピーク値は\(\sqrt×V_\)となります。ここで、配線インピーダンス\(R_\)を0.1Ω、入力電解コンデンサの等価直列抵抗\(R_\)を0.9Ω、ブリッジダイオードの順方向電圧\(V_\)を1Vとすると、ラッシュ電流\(I_\)は \begin I_=\frac=140.4[A] \end となり、ピーク値140.4[A]のラッシュ電流が瞬間的に電源に流れます。
このラッシュ電流が、電源内のブリッジダイオードの電流定格を上回ると、ブリッジダイオードが破壊に至る可能性があります。また、入力電解コンデンサ\(C_\)の静電容量が大きい場合、ラッシュ電流が長時間続くため、ヒューズが溶断する可能性があります(ヒューズのI 2 t定格を超えるサージエネルギーが印可された場合)。さらに、このラッシュ電流によって、電圧降下が生じるため、ACラインの電圧が瞬時的に低下します。その結果、ACラインに接続されている他の機器が誤動作を引き起こす可能性があります。
そのため、ラッシュ電流を抑制する突入電流防止回路が必要となります。ラッシュ電流を20A〜40A程度に抑制するために、突入電流防止素子(サーミスタ/温度ヒューズ抵抗/セメント抵抗)を接続します。例えば、ACラインの電圧の実行値\(V_\)が100Vの時において、ラッシュ電流\(I_\)を20Aに制限したい場合、必要な抵抗値Rは以下の式で表されます。 \begin R=\frac×V_>=7.07[Ω] \end 電源投入時は、入力電解コンデンサ\(C_\)の電圧は0Vなので、ACラインの電圧はすべて突入電流防止素子に印可されます(配線インピーダンス\(R_\)、入力電解コンデンサの等価直列抵抗\(R_\)、ブリッジダイオードの順方向電圧\(V_\)を無視した場合)。
先ほど示した式は簡易式です。寄生要素を含めた計算を以下に示します。 配線インピーダンス\(R_\)(例えば0.1Ω)、入力電解コンデンサの等価直列抵抗\(R_\)(例えば0.9V)、ブリッジダイオードの順方向電圧\(V_\)(例えば1V)を考慮すると、必要な抵抗値は以下の式となり、先ほど計算した値より少し小さくなります。 \begin R=\frac×V_-2V_F>>-R_-R_=6.02[Ω] \end
小電力の電源や突入電流防止素子にサーミスタを接続した場合には、スイッチング素子(サイリスタ/トライアック/リレー)を使用しない突入電流防止回路があります。詳しくはこの記事の「 突入電流防止回路の種類 」で説明しています。
突入電流防止回路が接続されている箇所
突入電流防止回路はACラインから入力電解コンデンサ\(C_\)までの経路に接続されます。上図のようにブリッジダイオードの 前段 or 後段 、また プラス側 か マイナス側 かのどちらかに接続されます。
突入電流防止回路の種類
パッシブICL 抵抗を用いたパッシブICL NTCサーミスタを用いたパッシブICL- サーミスタには B定数 という温度変化でどれくらい抵抗値が変化するのかを表すパラメータがあります。このB定数が大きな値ほど動作中の高温状態における抵抗値が下がるため、電力消費が小さくなりますが、低温で抵抗値が上がりすぎるため、低温化においては、電源への供給電力不足となり、定格出力電力が出ず、起動不良が発生する可能性があります。
- サーミスタは常時発熱する部品なので、サーミスタを実装する時は基板温度が高くならないように、基板から浮かせて実装します。リードの長さを長くしたり、リードをフォーミング(曲げること)してリード長を保証する等の工夫を行うことをオススメします。
- 電源内部のトランスで誘起される電圧を利用
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