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まずは基本のアジの干物を攻略する!

さっそくアジを開きにしよう。あれ? 内田さんは魚を横(さばく人に向かって水平)ではなく縦(垂直)にしてまな板の上に置いているぞ。「“縦置き”のほうが力が入りやすく、包丁が見えやすいからです。怪我をしにくくなります」やってみたら、確かにその通り! 体をねじらないので余計な力を入れずに済む。大きな魚だと頭を切り落としたりするときに横向きにせざるを得ないけれど、アジの開きは頭を残すのでその必要がない。アジの開き方については、下の写真のような要領で開いていくのが基本。このたび島源商店流「プロの七手」を教わった。我々素人でも真似できるさばき方なので、次回で詳しく紹介したい。内田さんはこの七手を高速かつ正確に繰り出して1時間に300匹ものアジを開くという。まさにプロフェッショナル!

各パーツの名称をざっと頭に入れよう。

魚は自分に垂直の向きに、「縦置き」する。

エラの下から包丁を入れ、肛門の先まで切る。

エラの下に包丁を差し入れて、エラごと内臓を引っかき出す。

背骨(中骨)に沿って包丁を入れ、身が開くようにぐっと切り目を入れる。

上下を返して頭を割る。

もう一度上下を返して身を開き、刃先で上から下に包丁を入れ、切り残した部分(と首尾びれ付近)をグイッと開けば、アジの開きの完成。

「8%の塩水に、12分間浸ける」から始めてみよう

血や内臓が残らないように歯ブラシで掃除。魚の旨味が水に溶けださないように手早く!

掃除完了!きれいになりました。

魚の身に直接塩をふって干物をつくる方法もあるが、塩水に漬けるほうが味にムラができず、塩分もコントロールしやすい。

塩水に漬けた後は、さっと真水ですすぐこと! 汚れを取り、塩分が入りすぎるのを防ぐ。きれいな味わいに仕上げるためのひと手間だ。

身の表面を押して指紋がついたら、あと30分で完成!

干す直前に尾から頭に向かって身の表面を指でなでつけると、ツヤのある美しい仕上がりになる。見た目も大切だ!

干していると汁がたれることがある。気になる人は受け皿を置いておこう。

表面が乾いてきて、指で押したときに指紋が残るくらいになった。この“生干し”の状態になったら、あと20~30分干して完成。

焼き網はまず、数分間よーく焼いて熱々にしてからアジをのせるのがコツ。くっつきにくくなるし、香ばしく仕上がる。

【大宮冬洋の干物日記】新鮮すぎる魚は塩分が入りにくい! ○月△日 「何かが足りない。旨味が凝縮されていない気がする」ある日の夕食で妻から言われて衝撃を受けた。自分で食べてみると、確かに味が足りない。その日の朝に近所の港で漁師から仕入れたセイゴ(スズキの稚魚)を開いて干した自家製干物なのに……。塩水の濃度は目分量で、浸け時間は30分間。干し時間だけは内田さんの教えに従って「身に指紋がつくようになってから30分間」を守った。これで旨味が凝縮されていないのは塩分濃度の問題なのだろう。獲れたて締めたての魚は新鮮すぎるので塩が入りにくかったのだ。もう少し塩を多くするべきだった。でも、水も塩も「適当」だったので次に同じような魚で干物をつくるときの参考にならない。失敗を次に生かすためにも、慣れるまでは面倒臭がらずにちゃんと量ろうと思う。撮影=大宮冬洋

教える人

内田清隆(「島源商店」専務)

大宮 冬洋 (ライター)

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