「オー人事、オー人事」と言えば…耳に残って離れないあのCMが名作になり得たワケ
「オー人事、オー人事」というナレーションとともにチャイコフスキーの楽曲『弦楽セレナーデ』が流れるCMを覚えていますでしょうか? 1997年から2004年まで約6年間シリーズ展開されていた人材派遣会社のCMです。40代以上の世代にとっては懐かしの名CM。あのメロディを耳にすると「転職」が思い浮かぶという方もいるのでは? 今回のテーマは「CMとクラシック音楽」。著書『生活はクラシック音楽でできている 家電や映画、結婚式まで日常になじんだ名曲』(笠間書院)から、音楽プロデューサーの渋谷ゆう子氏が、名曲に隠された作曲家の人生や時代背景を交えながら解説します。
転職したくなる悲愴感
クラシック音楽の持つ雰囲気、楽曲のイメージはその楽曲の完成度が高ければ高いほど、それが加わった映像のクオリティも高くするようです。特に短い時間で意図を伝えなければならないテレビCMでの効果は抜群です。チャイコフスキーの楽曲に、そうしたCMで使われた代表的な楽曲があります。それは『弦楽セレナーデ ハ長調作品48』です。現在の職場がどれだけ酷(ひど)いのかをドラマ仕立てで構成し、一刻も早く転職をしなければ、と見ている人を誘う人材派遣会社スタッフサービスのCMに使われていました。
※本連載は、渋谷ゆう子氏の著書『生活はクラシック音楽でできている 家電や映画、結婚式まで日常になじんだ名曲』(笠間書院)より、一部を抜粋・再編集したものです。第3回 「お風呂が沸きました」音源制作の裏に“温かな”秘話 …あのメロディの正体は?【家電とクラシック】
第5回 西島秀俊演じる主人公が〈妻の浮気〉に遭遇したときにかかっていた音楽の意味は…クラシック音楽からひもとく映画『ドライブ・マイ・カー』
掲載記事
[連載] 生活はクラシック音楽でできている 2024.03.23 第5回 西島秀俊演じる主人公が〈妻の浮気〉に遭遇したときにかかっていた音楽の意味は…クラシック音楽からひもとく映画『ドライブ・マイ・カー』 2024.03.05 第3回 「お風呂が沸きました」音源制作の裏に“温かな”秘話 …あのメロディの正体は?【家電とクラシック】 2024.02.27 第2回 「早く僕を暖めて」あの名曲が灯油の残量をお知らせ!?…〈エリーゼのために〉に秘められたベートーヴェンの恋模様【家電とクラシック】 2024.02.20 第1回 日本はBGM大国⁉「つい予定外のワインを買っちゃった」「聴くと掃除したくなっちゃう」…実は日常生活に溶け込んでいるクラシック音楽著者
関連書籍
生活はクラシック音楽でできている 家電や映画、結婚式まで日常になじんだ名曲 発行年月 2023年12月日本人には少し敷居が高く感じられるクラシック音楽。でもコンサートホールまで聴きに行かない人でも、実は生活の中でさまざまな形で耳にしています。例えば、炊飯器の炊き上がりやお風呂のお湯張り完了で流れる電子音で、TVの人気番組のオープニングテーマとして、映画やアニメの名シーンの一部として、または運動会や結婚式を盛り上げるBGMとして……。 それらの名曲は、ただ聴いているだけでも美しさに浸れますが、そこに隠された作曲家の人生や当時の時代背景、作曲の意図を知ることで、より心に響いてくるものばかりです。そして、曲を理解することが、映画などを深く鑑賞することにもつながります。 クラシック音楽に触れる機会を探している人、教養として音楽の知識を身につけたい人、そして音楽を通して日常生活をちょっと違った視点で眺めたい人にもおすすめの一冊。 紹介した曲をすぐに聴けるQRコード付き!