. AIを使った新たな性犯罪「卒アル問題」とは #親と子のネットリテラシー入門Vol.39
AIを使った新たな性犯罪「卒アル問題」とは #親と子のネットリテラシー入門Vol.39
AIを使った新たな性犯罪「卒アル問題」とは #親と子のネットリテラシー入門Vol.39

身に覚えのない自分の性的な写真が……生成AIを使った新たな性犯罪「卒アル問題」とは #親と子のネットリテラシー入門Vol.39

こども性暴力防止法には、「 日本版DBS 」と呼ばれる措置が含まれています。DBSとはイギリス司法省管轄の「Disclosure and Barring Service(犯罪証明管理及び発行システム)」の略称で、性犯罪歴をデータベース化し、性犯罪者が子どもに関わる仕事に就かないようにして子どもを守る仕組みです。すでにアメリカ、フランス、ドイツなどでも同様の制度が導入されており、日本でもいよいよ実施されることになりました。

■生成AI悪用による新たな性犯罪「卒アル問題」

生成AIの進化と普及に伴い、悪用されるケースも増えてきました。そのひとつに「 卒アル問題 」があります。卒アル問題とは、卒業アルバムの写真を無断でわいせつな画像に加工し、公開する行為です。

卒業アルバムやSNSからディープフェイクポルノを作成(筆者作成)

この事例のように、卒業アルバムの顔写真があれば、わいせつな画像が生成できてしまうのです。「 ディープフェイクポルノ 」と呼ばれるこうした行為は、これまでは高度なテクニックや専用のソフトウェアが必要だったため、被害者は芸能人や有名人などの一部の人に限定されていました。しかし、生成AIを利用して誰もが大量のディープフェイクポルノを作成できるようになったため、被害が一般人にも及ぶようになったのです。ディープフェイクポルノは、Webサイトに公開されているサービスでも作ることができると言われています。

こうしたディープフェイクポルノは、本人が知らないところで行われてしまうことが大きな問題です。用心してSNSに画像をアップしていなくても、卒業アルバムや学校行事の写真などから生成されてしまう危険があります。

■ディープフェイクポルノ規制に向けての法整備

■ディープフェイクポルノから子どもを守るためにできること

顔がはっきりわかる画像や、音声をアップしない

まずひとつめは、「高画質な顔写真を流布しない」ことです。卒業アルバムは防ぎようがありませんが、SNSなどの投稿は自分で制限することができます。顔がはっきりわかる画像はSNSにアップしないようにしましょう。どうしても投稿したい場合は、全体にぼかしたり、スタンプで顔を隠したりするとよいでしょう。「公開範囲を限定すれば大丈夫」と思うかもしれませんが、誰かが流出させるリスクはあります。

また、ネットで知り合った人に画像を送ることも厳禁です。「洋服を着ているから」と油断して送ってしまうと、相手は生成AIを悪用するかもしれません。

音声についても公開しないようにしましょう。生成AIは音声を使って、本当は言っていないことも言わせることができてしまいます。音声が入っている動画を公開すると、わいせつな言葉に変えた動画を作成できてしまいます。

気軽に相談できる親子関係を築く

ふたつめは、相談できる親子関係を構築することです。この連載で何度も言っているので「またか」と思う人もいるかもしれませんが、何かあった時にすぐ相談してくれるような風通しの良い親子関係を築いてほしいと思います。早めに対応することで、被害を最小限に抑えることができます。

■もし、ディープフェイクポルノを作られてしまったら

もしディープフェイクポルノを作られてしまったら、投稿画面などの証拠となるスクリーンショットを撮影したのちに、プラットフォームの相談窓口に報告しましょう。また、警察庁のサイバー事案に関する相談窓口や、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター( #8891 )に相談してください。

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ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー スマホやSNSなど、身近なITサービス全般に関する記事を執筆。なかでもSNSに関しては、コンシューマーからビジネスまで広く取材を行い、最新トレンドを知るジャーナリストとして定評がある。また、安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとして記事執筆や講演も行う。 著書は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『インターネットサバイバル 全3巻』(日本図書センター)など。

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