. 3ニッケル水素電池充電器の製作(1) - しなぷすのハード製作記
3ニッケル水素電池充電器の製作(1) - しなぷすのハード製作記
3ニッケル水素電池充電器の製作(1) - しなぷすのハード製作記

単3ニッケル水素電池充電器の製作(1)

図4を見ると分かるのですが、スイッチがONになっている期間では、コイルに VS − VL =3.8[V]の電圧が、コイルの電流を増やす方向にかかっています。一方で図5を見ると、スイッチがOFFの期間はコイルに vL =1.2[V]の電圧が、コイルの電流を減らす方向にかかっていることが分かります。(ここでは、話を簡単にするためにダイオードが完全に導通しているものとしました)よって、コイルに流れる電流 iC は、図6のように変化します。これに伴い、負荷電圧 vL もごくわずかながら図7のように変化します。(図7では、分かりやすいように負荷電圧の変化を強調して書いてあります)

図6、コイル電流 iC の変化 図7、負荷電圧 vL の変化

コイルのインダクタンスを L とした場合、両端電圧 v と電流 i の関係は次の式で与えられます。

d i d t = v L ・・・ (2)

よって、スイッチがONの時の iC の時間増加率(図6の傾き)は VS − vL L 、スイッチがOFFの時は− vL L となります。

もし負荷に並列にコンデンサがつながれていなければ、負荷電圧 vL も、 IC と同程度に変化しているでしょうが、コンデンサが電圧変動を抑える働きをしているので、負荷電圧の変化はわずかになります。

図6や図7のように、電圧や電流が時間的に変動していますが、これをリップルと言います。ステップダウンレギュレータはシリーズレギュレータと違って負荷電圧にリップルが生じるのが欠点ですが、インダクタンス L やキャパシタンス C 、あるいはスイッチング周波数 fS (一秒間に何回スイッチを切り替えるか)を適切に設定すれば、リップルを実用上無視できる程度に抑えられます。例えば、ニッケル水素電池の充電器の場合、負荷電圧1.2Vに対して、リップル電圧が10mV(0.01V)なら、無視してもいいと言えるのではないでしょうか。

図6を見ると、コイル電流 iC は時間的に変動しているものの、常に電流が流れています。このような動作状態を電流連続モードといいます。同じステップダウンコンバーターでも、負荷電流が減るなどの条件の変化により、図8の様に iC が0になる期間が発生することがあります。このような動作状態を電流不連続モードといいます。今回製作した充電器では、電源投入直後を除いて、電流不連続モードで動作します。

図8、電流不連続モードの場合のコイル電流iCの変化

スイッチがONになっている時間を TON 、OFFになっている時間を TOFF とすると、スイッチがONの間に増加する電流Δ ION 、およびスイッチがOFFの間に増加する電流Δ IOFF は、次の2式より求まります。

Δ ION = VS − vL L TON ・・・ (3) Δ IOFF =− vL L TOFF ・・・ (4) Δ ION +Δ IOFF =0 ・・・ (5) VL = TON TON + TOFF VS = D VS ・・・ (6)

ここで、 D = TON TON + TOFF は デューティ比 と呼ばれ、1周期の中でスイッチがONしている時間の割合を表します。

式(6)で分かるように、出力電圧(負荷電圧)は入力電圧にデューティ比を掛けた値となります。スイッチがずっとONの場合( D =1)は入力電圧がそのまま負荷にかかりますが、スイッチがずっとOFFの場合(D=0)は負荷電圧は0となります。ONの時間とOFFの時間が同じ場合( D =0.5)は入力電圧の半分の電圧が、負荷電圧となります。

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