涸沢カールでパンダテント泊!人生が動き出す2泊3日ソロ登山の記録
2日目、夜明け前に起床して、湯を沸かしていると薄暗い茂みの奥から「ギャギャッ」という奇怪な音がしました。 猿 でした。それも 10匹ほどの群れ でキャンプ場周辺の草を食みながら、我々の高カロリーな飯を虎視眈々と狙っていました。トイレや洗面しに行きたいのですが テントを荒らされるのが不安 で離れられません。早く飯食って出発しないといけないので、手早く尾西の五目ごはんをかき込み、テントをたたみ、徳沢を後にしました。次のポイント、横尾を目指します。
横尾キャンプ場、横尾大橋徳沢から少しずつアップダウンや細道が増えてきましたが、比較的平坦で、 約1時間で横尾に到着 しました。ここは穂高岳と槍ヶ岳の分岐点になっており、多くの登山者が休憩していました。横尾大橋を渡り、 次の休憩ポイント本谷橋 を目指します。
屏風岩と本谷橋、そして急坂横尾から本谷橋までは段々 山らしい道 になってきましたが、比較的平坦でした。左手には見事な一枚岩の屏風岩がそびえたちます。
いよいよ本谷橋からは 太ももを上げて登るような岩場の急坂 になるので、しっかり橋のたもとで休憩します。小川が流れているので給水できます。いざ登り始めると、かなりキツくて、なるべく低い足場を一つ一つ見つけて少しずつ上っていきました。
皆さんストックを使うのがスタンダード なようで、すれ違った山岳巡回の方に、 「おっ、ストックなしか~やるねぇ~」 と声を掛けられました。別に縛りプレイをしているつもりはなく、単純に持ってなかっただけだし、その辺にイイ感じの棒も落ちていませんでした。 小さい頃の男の子はみんなイイ感じ木の棒が大好き ですが、この時の僕の方が切実に木の棒を欲していました。疲労困憊で休憩していると、ヘリコプターが穂高の山荘に物資を輸送のため真上を通過したので、なんとなく目的地は近そうだと気合が入ります。
涸沢ヒュッテでおでんとビール、涸沢キャンプ場の風景ここに辿り着くまで全くこの景色が見えないので、 サプライズ的な演出感 も相まって 「えっ」 と数秒動けなくなりました。僕は安易で便利な「ヤバい」という言葉が嫌いですが、この時油断して 「ヤバァ~」 と口走ってしまった自分に自己嫌悪しました。
売店にはおでんとビールが売っているという事前情報があったのですが、本当に売っていました。わざわざ運んでいるのでしょうか。本当に関係者に感謝です。 絶景を眺めながら涸沢ヒュッテで一人ビール飲んだのは今のところ人生最高の思い出 です。
涸沢カールでのパンダテントレビュー涸沢カールでパンダテントを設営してみました。フライシートの四隅をしっかり重めの石に引っ掛けて、ポールを立てます。一応自立しました。ほっとしましたが、 問題は風で吹っ飛ばされないか です。一応四隅に石を追加で乗せ、紐の張りも強くしましたが、どうしてもペグダウンした時のような張りの強さは得られず、若干弛みました。
気密性も低く、フライの下側が開放しているため、保温性や耐風には難があると思われます。この時は 7月末の夏場 でしたのでそこまで寒くはありませんでしたし、幸いにも風も弱かったので大丈夫でしたが、夜は結構フライシートの弛みがバタついてうるさかったです。 この時期以外での使用はおそらく厳しいのでは と感じました。
一方でパンダテントの利点は、フライシートが前後両側大きく開放することで、前後両側の景色を楽しめることだと知りました。涸沢カールはカールの景色やモルゲンロートも圧巻ですが、反対側の眼下にある山々の景色と日の出もとても見事です。パンダテントであれば前後を開放し、自らは縦に寝ることで、室内で両方見ることができます。これは徳沢のときの使い方とは違うスタイルであり、ワンポールテントの自由度の高さに一人で感動していました。中で昼寝をしていると、道行く人に 「タープみたいで気持ちよさそう」 と言われて僕は大変ご満悦でした。
テント設営が終わり、僕は最後の酒盛りを始めました。大事に持ってきた最後のビールとナッツを開けます。全身の筋肉痛と酔いを感じながら何もせず真夏の雪を見ていました。人によく 「一人でキャンプ行って何するの」 と質問されるのですが、 上手い飯と酒と景色を五感で楽しむだけ です。別に会話する必要もないし、トランプもフリスビーもいらないと思っています。
日が暮れようかとしたところ、僕の隣にテントを張った日焼けしたおじさんが 「そこのテントの人戻ってきたか知らない?」 と声をかけてきました。涸沢にテントを張り、ここを拠点にして奥穂高、北穂高にアタックすることが多いので、まだ帰ってきてない人がいるとするととても心配です。
すると、北穂高から 女性2人組の親子が疲れた様子で下山 してきました。おじさんが声を掛け、事情を聴いていました。母親のペースが落ちてしまい、時間がかかってしまったようです。無事でなによりでしたし、おじさんの行動が明らかにベテランムーブだったので、 山での助け合いの手本 を見たような気がしました。
涸沢カールから上高地への下山ルート(3日目)
穂高岳モルゲンロート日の出とモルゲンロートを絶対見逃すまい と4時に起きました。何人かがライトをつけて起き始めていました。お湯を沸かしている間に空が紫色になり、日の出となりました。そして モルゲンロート 。
モルゲンロートとは、夜が明けきらない早朝に、東の空より一筋の赤い光線が山筋を照らし、山脈や雲が赤く染まる朝焼けのことをいい、山がもっとも美しく見えるときの一つです。 語源はドイツ語で「Morgenrot」、直訳すると、モルゲン「Morgen」は「朝」、ロート「rot」は「赤い」を意味しています。
引用元:登山用語を教えて!『モルゲンロート』ってなに? | 調整さん
下山 涸沢カールから上高地 小梨平キャンプ場天空の楽園 を後にするようで とても名残惜しかった ですが、撤収して下山を開始しました。
既に昨日の親子は30分程早く下山を開始していましたが、すぐ追いついてしまいました。おじさんに倣って声をかけてみるとお母さんが「 もう半分くらい来ましたかね、はあはあ 」としんどそうでした。明らかに10分の1も進んでいないのですが、そんなこと言えるはずもなく「まだもうちょっとありますねぇ~無理しないで下さいね」とお茶を濁しながら、娘さんに 現在地と横尾までの大体の所要時間 を教えて先に進みました。下山した後もこの二人が無事下山できたか心配でしたし、 この対応で正しかったのか 今でもたまに考えます。
涸沢から上高地まで約16Kmの長い道のりを一気に下山 しました。リュックを背負った肩と足が痛くて、景色にも慣れたこともあり、正直苦行でした。ゴリゴリ歩いていると、横尾を過ぎたあたりでおじいさんに声を掛けられました。おじいさんは槍ヶ岳に登って帰る途中だったようで、 「足がガクガクじゃー」 と楽しそうに話していました。装備が使い込まれていた様子だったので、相当登っているおじいさんだなあと思いました。
上高地は南側のルートで帰還。途中の 小梨平キャンプ場に入浴施設 があり、そこで三日ぶりの風呂に入りました。熱いお湯に日焼けがしみました。日焼けした原始人が「来てよかったろ」と言っている気がしました。
涸沢カールの登山キャンプをこれから始める方へ
涸沢カールは最高 でした。テントは山岳用のテントをおすすめします。 登山は準備と計画を立てて、無理せずに楽しみましょう。
上高地から涸沢までの基本情報 標高 上高地バスターミナル 1,505m 涸沢 2,300m 歩行距離 上高地~涸沢 片道約16km 駐車場 沢渡駐車場 600円/1日 バス料金 沢渡~上高地 往復2100円 キャンプ場 小梨平キャンプ場 70張 徳沢キャンプ場 200張 横尾キャンプ場 100張 涸沢キャンプ場 500張(岩場のためペグ打てません) 公式サイト https://www.kamikochi.or.jp/上高地でキャンプができる!「小梨平キャンプ場」はバックパックキャンプデビューにお勧めです
秘密基地感が半端ない「徳澤キャンプ場」は大自然でチルアウトしたい方にお勧めです
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- ぬかみそベーコン
- 経歴:元サラリーマン(自動車変速機部品設計) 仕事:'19/11~フリーライターとして活動中、たまに農作業 住所:岩手県内の信号とコンビニと光回線のない田舎 趣味:クラシックギター、キャンプ、ASMR
- ライター詳細プロフィール
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