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「やっぱり安福だった」逮捕直前に容疑者を“当ててしまった”被害者の夫・高羽悟さん 「“執念”とかじゃない」26年を振り返る 名古屋主婦殺害事件 2025年11月17日
■「まさか自分の関係者が」と信じられない気持ちだった
「まさか自分の関係者が…と思ったことがなかった26年だったので衝撃的でした」と高羽さん。
【高羽悟さん】「少なからず犯人は高校の同級生ですから知ってますので。そんなことができるような人物ではなかった。どちらかと言えば大人しくて、控えめな感じだったものですから、信じられないです」
事件発生当時、「男性が犯人だと思っていた」ほどひどい現場だったと話します。
【高羽悟さん】「現場を見たときには、あんなひどい現場は…男性がやったと思ってますので。DNAで女性だと分かってびっくりしたくらいですから、『まさか』という気持ちです」
■26年間現場を保存し続けた
■容疑者立ち合いの現場検証は「早めに終わった」
【高羽悟さん】「部屋は私のものなので、『悟さんに玄関の鍵を開けてくれ』って(警察に)言われまして、開けて少し待機してたら、安福が来て、割と早めに終わって鍵を閉めて帰りました。
後から聞くと、『現物の現場がある』ということは非常に正確、迅速に現場検証ができたということで、皆さん喜んでおられるということを周りから聞きましたので、保存した甲斐があったなと思いました」
元徳島県警捜査一課の警部で、過去にこの事件の現場を訪問した秋山博康さんは、「現場を26年間保存していた例は聞いたことがない」といいます。
秋山さんは「これは犯人に相当なプレッシャーをかけます」と指摘し、「現場で犯行状況を再現する。例えば、容疑者を現場に連れてきて、容疑者の指示説明によって、刺した位置とか、被害者が刺された位置。倒れた位置。 これの位置関係をきっちり明らかにするんです。これは自白の調書よりも非常にリアルな証拠として扱われます」と説明しました。
【秋山博康さん】「高羽さんにいろいろ説明を受けながら、私自身が被害者になって再現してみた。これは玄関からすぐのところで犯行に移っているので、これは計画的に殺意を抱いて、すぐに犯行に及んだなというのが、すぐに分かりました」
■「やっぱり安福だった」容疑者を当てた高羽さん
【高羽悟さん】「警察から『大至急、西署に来てくれ』ということで、午後2時ぐらいに、署に向かったんですけども、取り調べ室に2人と、鑑識の人だと思うんですけれども。 その方が『26年間お待たせしました。あとはこの刑事が詳しく説明します』ということだったので、まさか、ひょっとして犯人が捕まるということかなと思ったんですけど、刑事さんは涙目で『26年間お待たせしました』と。『今夜逮捕しますんで』と」
悟さんが「誰ですか?」と聞くと「悟さんの関係者です」と言われ「ちょっとびっくりしました」と話します。
さらに、「誰だと思いますか」と問いかけられ、「高校の同級生?」と尋ねると『当たりです』と返答があり、「軟式テニス部?」と尋ねると「当たりです」と返答があったため、「もうそこまでいったら安福以外考えられないので、私は当ててしまいました」と振り返ります。
■「お父さん悪くない。自分を責めないで」周囲からの温かい言葉に救われる
高羽さんは「周りの人が『お父さん悪くないので、自分を責めないで』と言ってくれて、本当にありがたいと思います」と涙ぐみながら話しました。
【高羽悟さん】「安福の供述で『毎日が不安だった』とか言ってるのを見ると、追い詰めることができたのかなという思いではいますので、26年間やって無駄ではなかったなと思います」
警察によると、安福容疑者は「家族や親族に迷惑をかけられないので、捕まるのが嫌だった。毎日不安だった」と話しているということですが、現在は黙秘し、取り調べに応じていないということで、動機はいまだ明らかになっていません。
【高羽悟さん】「私たち遺族にとっては、もう奈美子は帰ってきませんので、どんなに謝罪されても困るなと思っていたものですから。唯一私たちに誠意を見せてもらうとしたら、真実を早く述べて、裁判を早く開いて、そのまま求刑された刑を受け入れて控訴しないように。
それが遺族に対する誠意かなと思ったものですから、それを期待したんですけども。 残念ながらいまの状況では誠意が感じられないし、あまり反省してないんじゃないかな思うんですがそれは残念だなと思います」
■時効撤廃への取り組み
「殺人罪などの時効撤廃」は悟さんら被害者遺族が国を動かしたことで実現しました。
【高羽悟さん】「時効撤廃を目指す『宙の会』という遺族会を作ったんですけども、本当に前年(2009年)2月28日に初めて集まったんですけど、もう翌年(2010年)4月21日には法律が変わりましたので。
結構早く、それも遡及して私たちの事件まで適用してくれるというご褒美までもらったので、本当に国会の傍聴席から見る景色が本当に気持ちよくて感動しました」
■去年着任の捜査員「リストの中に絶対いる」
【高羽悟さん】「自宅へ着任の挨拶にいらっしゃったときに、『私が来たからには捕まえます』と。もう1つ言われたのは、『高羽さんには悪いけど、ビラ配りしてもその中からは上がらないです。リストの中に絶対いますんで、それを1つ1つ潰す』と断言されました。
その時は『そうかな?』と、あんまり信じられなかったんですけども、結果そうなったので、すごいなと思ってます」
【秋山博康さん】「捜査本部は発生当初は多くの捜査員を投入する。ただ日が経つごとに捜査本部の体制が縮小したりとか、人事異動によって捜査員が変わるとか…。消極的な捜査本部、つまり情報が入って動くような本部になりがち。しかし、今回は熱い捜査員が結果を出したのかなと思います」
■息子の航平さんとの26年「執念とかじゃなくて、航平のために何がやれるかベスト尽くした」
【高羽航平さん】「母親を亡くした後、(父は)よくくじけなかったなと思いますね…自分がもし妻をなくして、子供と2人きりとかになったらどうするだろうなっていうのは今だから考えるかもしれない」
【高羽悟さん】「本当にずっと2人でやってきましたから。横にいましたんで、私の考え方だとかいろんなことは横で聞いてて、評価してくれるんてるのかなとは思います。 『執念』だとか言ってもらうんですけども、もう自分にはそんな執念とかじゃなくて、航平のために何がやれるかということで、その年、その年ベストを尽くした26年だったんで、本当にいい結果になってよかったと思います」
「航平がグレないか心配だった」と話す悟さんは、「宙の会」の特別参与でもある元警視庁・成城署長の土田さんからの言葉に涙したことがあると語りました。
【高羽悟さん】「宙の会の会合で、土田さん曰く、『会見の隅でゲームやってるんだけど、彼はお父さんが発言してるときはパタッとやめてちゃんと聞いてるんだから、絶対お父さんを裏切らないし、裏切ることはないと思うよ』と言っていただいて。居酒屋で聞いたときは泣けました。まっすぐ育ってくれて本当によかったと思います」
【高羽悟さん】「偶然、両親が友達で、うち(奈美子さん)は殺されていることをお嬢さんが聞いたみたいで、本当に奇跡というか。だから本当によかったです」
■「周りの人が助けてくれた」26年間「本当にありがたい」
高羽さんは、これまでの26年間を振り返り、「周りの人が助けてくれた」と感謝を述べました。
【高羽悟さん】「本当に不安だったんですよ。子供抱えてこのまま会社勤めれるかどうかとかいろんな心配してたんですけども、今は犯人も捕まったし、本当に周りの人が助けてくれて、町内会長だとかいろんな役目を地元からも任されて、知恵も増えました。26年前はそんな未来があるとは本当に思ってなかったんで、本当にありがたいです」
【高羽悟さん】「私も殺人事件の遺族は、テレビと新聞の世界のことだと思ってました。実際、朝『行ってらっしゃい』って送り出した人が遺体になって帰ってくるということはあり得るということを皆さんに感じていただきたい。毎日毎日の生活を大事にしてもらいたいなと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2025年11月12日放送)
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